予防・ワクチン
初めての混合ワクチン
来院のタイミング
- 動物を家に迎え入れてから、3日以上経過してから来院して下さい。 環境変化に慣れてからの方が、動物に負担をかけません。
- 生後8週齢(56日齢)からワクチン接種が可能です。
来院前にチェックして頂きたいこと
まず食欲・元気が安定している事をチェックして下さい。 次の様な症状が見られたら、必ず電話をしてから来院して下さい。 現在、元気でも以前これらの症状が見られた場合にも電話をしてから来院して下さい。
- 下痢をしていたり、吐いている。
- くしゃみをしたり、鼻水が出ている。
- 目やにがひどかったり、ヨダレが出ている。
犬混合ワクチン
- 犬ジステンパー
- 子犬や高齢犬でかかりやすく、高熱、目やに、鼻水、くしゃみ、下痢などのカゼのような症状で始まります。しばらくすると、ふるえやケイレン等の神経症状が現れます。死亡率が高く、完治してもマヒやケイレン等の後遺症が残ることもあります。
- 犬パルボウィルス感染症
- 特に子犬がかかると重い症状があらわれます。激しく吐き、悪臭のする下痢や血便をします。体力や体の水分を奪われ死亡する場合が多くあります。また、感染力も強く、恐ろしい病気です。
- 犬伝染性肝炎
- 激しい下痢、吐き気、高熱、元気消失、食欲不振、肝不全、目が白くにごる症状があらわれます。ほとんどの場合において、突然、死に至ります。
- 犬アデノウィルス感染症と犬パラインフルエンザ
- 咳、鼻水、発熱等のカゼの症状があらわれ、肺炎をおこす場合もあります。他のウィルスや細菌との混合感染にて重症化する場合もあります。
- レプトスピラ症(2種 カニコーラ、イクテロヘモラジー)
- 感染ネズミの尿から犬にも人にもうつる人畜共通伝染病です。当然、感染犬からも人にうつります。症状は発熱、元気消失、食欲不振、震え、嘔吐、黄疸が出て、腎炎、尿毒症を併発します。
- 犬は生後56日齢(8週齢)より注射できます。
- 子犬のワクチンは日齢によって4週間間隔で2回~3回注射します。
- 成犬でも初回注射の場合は4週間後にパルボワクチンの追加注射を行います。
- 初年度以後は原則として年1回の追加注射を行い、予防効果を維持します。
猫3種混合ワクチン
- 猫汎白血球減少症(猫パルボ)
- 犬のパルボウィルスとよく似たウィルスです。白血球が極端にすくなくなる病気です。高熱、嘔吐、食欲がなくなり、下痢がはじまると、激しい脱水になります。 死亡率が高く、感染力も強い、恐ろしい病気です。
- 猫ウィルス性鼻気管炎
- ヘルペスウィルスによる感染症です。ひどいクシャミ、咳などの呼吸器症状のほか、結膜炎をひき起こします。高熱で食欲はなくなり、鼻水と涙で顔が汚れます。 感染性も強く、完治しない場合もあります。
- 猫カリシウィルス性感染症
- かかりはじめはクシャミ、鼻水、発熱など、猫ウィルス性鼻気管炎によく似ています。症状が進むと舌や口の中に潰瘍ができ、痛くて食欲がなくなります。また、急性の肺炎を起こして死亡することもあります。 そして感染力も強い病気です。
- 猫は生後56日齢(8週齢)より注射できます。
- 子猫のワクチンは4週間間隔で2~3回注射します。次の年にも追加接種します。
- その後は3年毎に追加接種していき、予防効果を持続するようにします。
ワクチン注射後の注意事項
ワクチンを注射した後は2~3時間、動物を安静に保ち、少なくとも6時間ほど異常なことが起きないか観察してください。
異常が発生した時は当院、夜間動物病院、他の病院に連絡し、獣医師の指示にしたがってください。
フィラリア予防
犬フィラリア症は、蚊が媒介する犬フィラリアという寄生虫の成虫が、犬の肺動脈や心臓に寄生して起こる病気です。 犬フィラリアが寄生することで血液の流れが悪くなり、様々な障害が出現します。放置すれば死に至ることもある、犬にとっては重大な恐ろしい病気です。
- 内服薬では、5月~10月末頃までが予防期間となります。
- 注射薬もあります。年に一度の注射で1年間予防できます。
症状
-
咳
朝、夕、興奮時、運動時などノドにものがひっかかった様な咳をしたり、時に血の混じった咳をすることもあります。 -
呼吸が速くなる
安静時にも呼吸の回数が増え、横になって寝ることが辛くなります。 -
腹水
お腹に水がたまり痩せているのに、お腹が大きくなります。 -
貧血
血がうすくなり、舌や歯茎の色が白くなります。 -
運動不耐性
散歩をしたがらなくなったり、運動中に卒倒する場合もあります。 -
痩せてくる
食欲不振や体の様々の働きの低下のために痩せてきます。 -
赤色尿
赤から紅茶色の尿をすることもあります。この時は、フィラリアが右心房から三尖弁に詰まっていることが考えられます。 -
急死
肺動脈にフィラリアが詰まって肺に血液が流れなくなり、死に至ります。 -
人への感染
まれに肺に寄生、死滅し肺炎様の症状をしめすことがあります。
狂犬病ワクチン接種
狂犬病ウイルスはヒトを含む全ての哺乳類に感染し、一般には感染した動物の咬み傷などから唾液と共にウイルスが伝染します。
症状
急性期には不安感、恐水症状(水などの液体の嚥下によって嚥下筋が痙攣し、強い痛みを感じるため、水を極端に恐れるようになる症状)、興奮性、麻痺、精神錯乱などの神経症状が現れます。
また、腱反射、瞳孔反射の亢進もみられます。その2日から7日後には脳神経や全身の筋肉が麻痺を起こし、昏睡期に至り、呼吸障害によって死亡します。
人も犬も発症するとほぼ100%死に至ります。
接種対象
- 全ての飼育犬(狂犬病予防法に定められているもので、犬種・体格に関係無く、全ての飼犬に接種することが義務付けられています。)
- 老齢・病気療養中の場合も例外ではありません。獣医師が診察してワクチン接種が難しいと判断すれば、猶予証明書を発行します。
- 猶予証明を受けずに放置すると、市から督促状が送付されますから注意して下さい。
- 健康状態に問題がある場合は電話でお問い合わせ下さい。
- 札幌市への登録は当院を始め、委託動物病院と保健センター、動物管理センターで行えます。
接種時期
原則として、毎年4月1日~6月末頃まで。
翌年1月以降に接種を希望される場合は、電話で相談して下さい。
必要書類
- 札幌市への登録が済んでいる場合 4月頃に市から封書が届きます。
- 犬の健康状態を飼主さんが判断して、問診欄に記入してから、必ず書類をお持ち下さい。
- 他の市町村で登録済みの犬と一緒に、札幌市へ転入した場合
- 昨年の狂犬病ワクチン証明書と鑑札を用意して、 居住区の保健センターまたは札幌市動物管理センターで転入手続きをして下さい。ワクチン接種は、動物病院で受けてください。
- 初めて接種を受ける場合 当然の事ながら、市に登録されていない犬には、案内の封書は送付されません。 動物病院で『問診票』に必要事項を記入したのち,簡単な健康診断し,問題がなければ接種を行います。
- 登録したのに札幌市から封書が来ない/または封書を紛失した場合 昨年の「注射済み票」があれば、それをお持ち下さい。 何も無い場合でも、病院で問診票を書いていただければ、注射が受けられます。
料金
注射料金:3,390円登録手数料:3,200円(令和3年度)
初めての登録・注射の場合は合計6,590円になります。
次年度以降は基本的に3,390円です。猶予証明書の発行は無料です。
接種対象
混合ワクチンとの兼合い
混合ワクチンの接種後・1ヶ月以上空けてから、狂犬病ワクチンを受けて下さい。
狂犬病ワクチンの接種後・1週間以上空けてから、混合ワクチンを受けて下さい。
北海道と狂犬病ワクチンについて
【北海道新聞(2002年4月4日)より抜粋】
「狂犬病は、犬やキツネ、猫などの動物の唾液から感染するウイルス性の感染症で、人が発症すると死亡率はほぼ100%。日本では1956年以来発生していないが、ロシアを含め多くの国では発生が続いている。」 「道内の港に寄港するロシア船から犬が検疫を受けずに上陸している例があることから、道は国と協力して本年度、港周辺の(野良)犬を対象に、狂犬病の予防接種を受けているかどうかの抗体検査を行う。」 「道はこれまで、寄港するロシア船に、ロシア語のチラシやテープで犬を上陸させないよう呼びかけていたが、こうした啓発活動も強化する。ロシア船の乗務員は、寄港すると犬を放し飼いにするケースが目立ち、出航するまで犬が戻らず、置き去りにしている例もある。数年前には、放し飼いのロシアの犬に日本人がかまれる事故も起きている。」
狂犬病予防法
犬を飼い始めたら狂犬病ワクチンを注射し、市町村に登録することが、法律で決められています。また、年に1回の追加接種も義務です。